「ハサミどこ?」「リモコンが見つからない…」「さっきまでここにあったのに」
気づけば、家の中で探し物をしている時間って意外と多いですよね。
実は、“片付けが苦手だから”というより、モノの場所があいまいなままになっていることが原因かもしれません。
そこで役立つのが、家の中のあちこちに「場所の名前」をつけてあげること。
この記事では、暮らしがグッとラクになる“場所の名前づけ”の考え方と、今日からできる実践方法をご紹介します。
1. 探し物がなくならない本当の理由
● モノの「住所」が決まっていないから
探し物が多い家の特徴は、モノの居場所がはっきり決まっていないこと。
何となくこの辺、気がついたらあちこちに…という状態だと、片付けるたびに置き場所が変わってしまい、「どこに戻せばいいのか」が分からなくなってしまいます。
● 家族それぞれの“なんとなくルール”がバラバラ
自分の中では「この引き出しの右側にハサミ」と決めていても、家族にそれが伝わっていないと、「とりあえず空いているところ」に戻されてしまうことも。
つまり、ルールがないのではなく、“共有されていない”ことが、探し物の原因になっていることが多いのです。
2. 「場所の名前づけ」とは?
● モノの置き場所に「わかりやすい名前」をつけること
“場所の名前づけ”とは、モノの置き場所に、誰が見てもわかる名前をつけてあげること。
例えば…
- 玄関の棚 → 「鍵コーナー」
- キッチンの引き出し → 「よく使うカトラリーの場所」
- リビングのかご → 「リモコン・ティッシュの場所」
このように、モノではなく場所に役割や名前をつけることで、「使ったらここに戻す」という行動がぐっとラクになります。
● 名前をつけると、片付けが「決まりごと」になる
「リモコンはリモコンかごへ」「鍵は玄関のトレーへ」のように、置き場所に名前がつくと、片付けが感覚ではなくルールになります。
その結果、家族全員が同じ場所を“共通認識”として使えるようになり、探し物も減っていきます。
3. 場所の名前づけの基本ステップ
● ステップ1:よく使うものから始める
まずは家の中で「よく探してしまうモノ」「毎日使うモノ」をピックアップしてみましょう。
例えば…
- 家の鍵・車の鍵
- テレビやエアコンのリモコン
- スマホの充電器
- 財布や通帳ケース
出し入れが多いものほど、明確な置き場所があるかどうかが大切になります。
● ステップ2:モノの「動線」を考えて場所を決める
場所を決めるときは、使う場所の近くや動きの流れを意識するのがポイントです。
例えば…
- 鍵 → 出入りする玄関の近く
- リモコン → ソファから手を伸ばしやすい位置
- ハサミ → よく封筒を開けるテーブルまわり
暮らしの動きに合わせて場所を決めると、「戻すのが面倒」が少なくなります。
● ステップ3:その場所に短い名前をつける
場所が決まったら、パッと見てわかる名前をつけましょう。
長い説明よりも、ひと目でイメージできる名前がおすすめです。
例:
・「充電ステーション」
・「文房具コーナー」
・「お薬棚」
・「郵便物の一時置き」
4. 部屋別・場所の名前づけアイデア
● 玄関:出かける前の“迷わない”をつくる
玄関は「行ってきます」と「ただいま」が交差する大事な場所。
ここに名前づけスペースを作ると、忘れ物がグッと減ります。
- 鍵用トレー → 「鍵の場所」
- 印鑑や配達表 → 「宅配コーナー」
- エコバッグ → 「買い物セットの場所」
ラベリングシールや小さなメモを使うと、家族にも伝わりやすくなります。
● リビング:散らかりやすいモノを“定位置化”
リビングは家族みんなが集まる場所なので、モノも集まりがち。
特に住所を決めておきたいのは次のようなモノです。
- リモコン類 → 「リモコンかご」
- ティッシュ・ハンドクリーム → 「テーブルまわりセット」
- 読みかけの本・雑誌 → 「今読んでいる本の場所」
- 子どものおもちゃ → 「今日遊ぶおもちゃ箱」
“その日使うもの”と“しまっておくもの”の場所を分けて名前づけしておくと、リセットが楽になります。
● キッチン:よく使うものほど“名前付きエリア”に
キッチンはモノの種類が多いので、カテゴリごとに名前をつけるとスッキリします。
- お箸・スプーン → 「毎日使うカトラリーの場所」
- よく使う調味料 → 「コンロまわりセット」
- 保存容器 → 「お弁当&作り置きコーナー」
ラベルを貼ったり、カゴごとに名前を付けることで、見た目も整い、料理中の「どこだっけ?」も減っていきます。
● デスクまわり:仕事モードにすぐ戻れる環境に
在宅ワークや家計簿をつけるスペースは、必要なものがすぐ手に取れるとストレスが減ります。
- ペン・ふせん・電卓 → 「デスク基本セット」
- 重要書類 → 「大事な書類フォルダ」
- 請求書・支払い待ち → 「支払い待ちの書類」
名前を付けておくことで、
「あとでやろう」と思っていたことも忘れにくくなります。
5. 名前づけを続けるためのコツ
● ラベルやメモを「ゆるく」活用する
テプラやラベルシールを使うのはもちろん、マスキングテープに手書きで書くだけでも十分です。
最初から完璧を目指さず、途中で変えてもOKな“仮ラベル”から始めると気楽に続けられます。
● 家族と一緒に「場所の名前会議」をしてみる
家族がいる場合は、ひとりで決めるよりみんなで場所の名前を考えるのがおすすめ。
「このかごは何の場所にする?」「ここに置いてくれると助かるな」など、一緒に話すことで、自然とルールが共有されます。
● 使いづらいと感じたら、名前も場所も変えてOK
実際に使ってみて「ここはちょっと使いにくいな」と思ったら、遠慮なく見直して大丈夫です。
暮らしに合わせてアップデートしていく感覚で、柔らかく続けていきましょう。
6. 「場所の名前づけ」で暮らしに起こる変化
● 「どこに片付けたらいい?」と迷わなくなる
名前がついた場所が増えるほど、片付けは「考える作業」ではなく「手を動かすだけの作業」に変わっていきます。
これは、片付けのハードルを下げる大きなポイントです。
● 探し物が減って、心にも時間にも余裕が生まれる
探し物に使っていた時間が減ると、そのぶん心にもゆとりが生まれます。
「自分は片付けが苦手」と思っていた人も、実はルールさえ決まれば、ちゃんと片付けられるタイプだったことに気づくかもしれません。
7. まとめ:場所に名前をつけることは、自分と家族への優しいメッセージ
“場所の名前づけ”は、特別な道具もテクニックもいりません。
モノをしまう場所に、ちょっとした役割と名前を与えてあげるだけ。
それだけで、
・片付ける場所に迷わない
・家族ともルールを共有しやすい
・探し物が減ってストレスも減る
という、うれしい変化が少しずつ積み重なっていきます。
まずはひとつ、「ここは◯◯の場所」と決めてラベルを貼ってみませんか?
その小さな一歩が、“探し物ゼロ”に近づくきっかけになりますよ。